2010年2月9日 投稿者: aterierguildの修復
ステンドグラスというと、よく、ケームといって鉛のフレームを色ガラスに固定してつなげていく技法によるものがあります。
しかし、この度紹介する作品は色ガラスに代わって大理石の一種オニキスによるものです。
この石は様々な鮮やかな色調を帯びており、流動的な模様があることで縞メノウに似ています。
その中でも緑は貴重な箇所で、今日では入手が大変困難になっています。
写真は、1986年当時の仕事で、名古屋の名城大学図書館に設置されました。設計は丹羽英二設計事務所です。
図書館入り口より正面東向きに位置しています。
正面近くまで行った写真を見てみましょう。
中二階まで上がるとその全容が見えてきます。
印象が強かったせいか、光具合で緑がレンズには写らないのか、その辺はわかりません。
しかし、私(村田)には、かなり緑色のオニキスを磨いていた記憶があります。
「緑の光」はジュール・ベルヌの小説では、太陽が沈む最後の光が屈折のせいで緑に見えるというもの。
そしてその光を見た者は自分の心と相手の心がはっきりとわかると言われています。
ここでもステンドグラスで緑の光が差し込むことがあるのでしょうか。
当時、学生最後の年の夏、この石を磨く作業に参加したのが、アトリエギルドとの最初の出会いでした。
オニキスは厚み5~7mmほどで、石の中ではもろいため、5mm厚の600×1200大ぐらいのガラス板でサンドウィッチになっています。
当時、作業はモザイク作家の関谷明夫氏が中心になって行なっていました。
板ガラスに薄いオニキスの板を並べて、大変強烈なにおいのするシリコンで固定していたのを思い出します。
これは3階の渡り廊下から望んだ写真です。
これは何を描いているのでしょか。ミステリーサークルのようで、なぜかSF的な感じがします。
他2点写真あり、アルバムに収録されています。
こちらからご覧になれます。
デザイン:山田雅夫
発注:丹羽英二建築設計事務所
施工:鹿島建設名古屋支店
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